『間取りの模範解答』遊び心を満たす家 @幸田真一

建築家31会の新刊『間取りの模範解答:心地よい住まいをつくる建築家の視点』に、幸田真一の設計監理した住宅『遊び心を満たす家』が掲載されています。今回は、誌面では伝えきれなかった完成写真や図面を交えて、この住まいの魅力を詳しくご紹介します。

  • 家族の居場所を立体的に積み上げる

都内の高台にあたる敷地に建つ、家族が楽しむための住宅です。小学生のお子様二人を持つアクティブなご夫婦が望んだのは、子供が走り回り、家族がワクワクする家。アウトドアとの繋がりを感じながら過ごすLDKを中心に家族の居場所を立体的に積み上げました。デッキへワイドに広がる1階のLDK、2階には家族の溜まり場としてセカンドリビング、屋上には高台からの眺望を楽しめる屋根つきバルコニーのラナイへと縦に連続する空間構成が特徴です。玄関土間のようなキャンプ道具置場、リビングを貫く雲梯、ロフトへと上がるタラップ、ラナイで寛ぐチェアハンモックと家中に遊び心を散りばめました。

  • 家の中心にある階段は、家族のステージ

階段の踊り場を大きく設定し、ピアノ置き場を想定しています。階段がステージのように家の真ん中にあるので演奏を家族が聴いてくれます。

  • アウトドアリビングとしてのデッキテラス

リビングは水平方向にも連続していきます。高さのある塀に囲まれたプライベート感のあるテラス。四季の移ろいを室内からも楽しむことができ、プールやバーベキューといったアウトドアも気兼ねなく楽しむことができます。

  • 2階にも家族の居場所をつくる

階段を上がった2階にはゲームやおもちゃを出しっぱなしでも平気なプレイルームがあります。プロジェクターで白い壁に映画を映し出したり、ロフトタラップを上ればさらに上のロフトまで上がることができます。上に上がれば上がるほど個室感が強まり秘密基地のように自分居場所を選ぶことが出来ます。

  • ファミリールームの夜の顔は、バーカウンター付きの映画館に

書斎に隣接のミニキッチンを設けることで、1階まで降りなくても良いので、ファミリールームがより一層活用できます。日中は子供達のジュースやお菓子、夜はシアター横のバーカウンターとして利用します

  • まとめ

リビングダイニング以外に、家の中にファミリールームを小さくても良いので設けると、家の中の面白みがグッとあがります。家族の居場所が個室以外にたくさん増えるので程よい距離感を作れます。将来的にも不確定な子供室二つを用意する時に、片方をファミリールーム的に使える位置に間取りをプランニングすることをお勧めします。

著者情報

幸田 真一幸田 真一

幸田 真一 こうだ しんいち

幸田真一建築設計事務所

「どのような暮らしをしたいかを考えること」 家づくりで大切なのは、大切な家族とどのような暮らしをしたいかをたくさん想像することです。 降り注ぐ柔らかな光を感じ、微かに感じる風の匂い。庭先の四季の移ろいに癒される、そんな心地よい暮らし方です。 私たちとの家づくりはそのような建主の想いから始まります。その思いが言葉となり、空間となっていく過程は設計を専門職とする私たち建築家とだからこそできる、家づくりです。 明るくて気持ちのよい家。安全で機能的な優しい家。そして、あなたらしい家。私たちは何一つ欠くことなく、あなたの目線と同じになって家づくりを楽しみます。 "あなたにとって良いデザインと良いおもてなしを。"

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