『間取りの模範解答』夫婦共働き5人家族の家事動線と収納と個々のスペースを優先した住宅@七島幸之+佐野友美

3人の子育てをしながら夫婦共働きでとてもお忙しい家族のため、家事動線と収納を優先させた住宅です。

どのお宅でも建蔽率・容積率の制限がある中で、どの部屋のスペースを優先するのかという選択が出てきます。
家族構成やご家族の家での過ごし方にもよるのですが、多くは家族で過ごすLDKをメインとしてスペースを確保することが多いです。
このお宅の場合は、子供たちも個々の時間が大切な時期に入ってきたこともあり、LDKではなく、収納や水回りを充実させました。
また、お母さんが全ての家事を担うのではなく、知らないうちに家族全員が家事をしてしまうような動線づくりを目指しました。

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◎これまでの家では、家族みんなが帰宅後にバックやコートなどをLDKに放置しがちでした。
なので、今回の住宅では、玄関からすぐのシューズクローゼットにコートを掛けられるようにしたり、洗面で手を洗った後、隣のファミリークローゼットに荷物を一時置きできるようにしました。


シナ合板の箱がシューズクローゼット。
お客さんは、玄関から直接LDKへ入りますが(写真は開いていますが引戸で閉めることができます)
家族はこの箱を通って本棚横の扉からLDKへ入ります。(1階図面の矢印の通り)

 

◎これまでの家では、洗濯→洗濯機とは別の階のバルコニーに干す→とりこんでバルコニー前のリビングで畳む(置きっぱなしのことも)→各個室へ、と、洗濯という家事をするのにも行ったり来たりが一苦労でした。
今回は、お風呂→脱衣室(洗濯機)→洗面室→ファミリークロゼット⇄物干し、と図面の赤い点線のように一筆書きの動線にしました。
とりこんだ洗濯物はファミリークローゼットの個々のブースに置くだけ。あとは自分でブースに置くなり自室へ持って行くなり、好きなようにどうぞというスタイルです。

右に脱衣室とお風呂、左にファミリークローゼットと物干しスペース。
幅広の造作洗面化粧台で、混みがちな朝も並んで支度ができるので快適になりました。

家族それぞれのブースがある4畳ほどのファミリークローゼット。
正面奥のドアから物干しスペースに出られます。

 

◎おまけ
これまでの家では、キッチンが奥まったところにあったこともあり、お母さんが食事の支度と片付けをしていました。今回は誰でも気軽にキッチンに立てるよう、LDKの中心にペニンシュラ型のキッチン、その隣にテーブル。オープンで食器などが何かと目に付くため、自然と家族みんなが片付けるようになったそうです。

LDKのスペースを補うような、木板で囲まれたリビングと一続きのテラス。
リビングと同じ素材なのでひとつながりで視覚的に広く見えます。

 

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七島幸之 + 佐野友美 ななしまゆきのぶ さのともみ

アトリエハコ建築設計事務所

詩的にシンプルな、それでいてユーモラスな建築をつくりたいと考えています。 要素を削ぎ落とすのではなく、生活の為の設えがさりげない在り方で生活を彩る、シンプルな家。 姿カタチや空間の佇まいに住まい手の個性が垣間見えるような、唯一無二の「生活の容器」を自由で柔軟な発想で追求します。

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