竣工から1年後の庭づくり @七島幸之+佐野友美

今週のリレーブログを担当します、アトリエハコ建築設計事務所です。

2023年1月に竣工した『津田山のガーデンハウス』
過去にこのリレーブログでもご紹介しましたが、
竣工から1年後の今年1月にようやく庭工事に着手しました。

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このお宅は、建て替えだったため、以前のお庭にあった樹木を新しい庭に合わせて植え直したり、植木鉢で育てていたものを地植えにしようということをもともと決めていました。
建物工事が終わる頃に植栽屋さんも一緒に現地で打ち合わせしたところ、移植する樹は、落葉して眠っている間の移植がよいとのことで、秋頃を予定して細かい計画を詰めていきました。
しかし昨秋はいつまでも暖かく、今年初めの工事となりました。

さて庭づくりについて。
移植する樹木もありますが、新しい建物のイメージに合わせて新しい植物も。
お施主さんが暮らし始めて気づいたことなどをヒアリングしながら、入り組んだ平面の庭形状を活かし、お母さまお好みの長年育ててきた和の雰囲気のもの、季節が楽しめる実のなるもの、道路からの目隠し用、シンボルツリー的な樹木、、、などバランスよく配置するよう心がけました。

◎庭の奥行感を出すためにランダムに配置しながら、この家のシンボルとなる樹木
新たに「ブラシの木」を迎えることにしました。以前のお宅にもブラシの木があったのですが、建物と絡む位置にあったため伐採していたのですが、ご家族の思いが強く、新しいもので復活。
移植したり植木鉢から地植えにしたのは、「梅」「柚子」「白樺」「トネリコ」「クロガネモチ」
梅や柚子は、寒い時期にかわいい花や実をつけてくれるのがいいですね。

メインの植栽を仮置きして配置を確認中の様子

◎南に面した大きな窓の日除用
以前は鉢植えだった「温州みかん」を地植えに。
新たに植えたのは、「ウエストリンギア(ローズマリーに似ていますが、こちらの方が育てやすいそう)」「レモン」。


石壁や木製サッシとの組み合わせも良い感じです。

◎道路からの目隠し用
新たに植えたのは、「クリスマスローズ」「ノリウツギ」「アメリカテマリシモツケ」「ディエテスビコロル」「ディアネラ」「ワイルドベリー」など。

道路側の落下防止手摺に沿わせて目隠し用の植栽が並んでいます。


寒い時期に彩りを添えてくれるクリスマスローズ

そして3ヶ月経った先月末、植栽屋さんが現地を確認してくれて、写真を送ってくれました。
お施主さんが丁寧に手入れしてくれていることもあり、芝も青々としてきて、
木々も順調に育っているとのこと。十分に育った姿が見られるのは2,3年後とか。

植栽屋さん撮影


植栽屋さん撮影

※ちなみに、新たに植えた植物は枯れ保証が付きますが、
移植に関しては、時期も含め最善の形で作業してくださっていますが、枯れ保証はつきません。

今回は、植え替えに適した時期を待ったこともあり、竣工から1年越しの庭づくりとなりましたが、
住み始めて気づくこともあったりするので、新しい家でじっくり腰を据えて庭の計画するのもおすすめです。
また、このお宅では、先日ようやく家具を決定し、この秋に納入される予定。
建物完成と同時に庭や家具が揃うのも良いですが、住みながら徐々に整えていくのも楽しいものです。

今週末のイベントでは、今回ご紹介した住宅『津田山のガーデンハウス』の模型とパネルを展示します。
ぜひイベントに遊びにいらしてください。

 

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七島幸之 + 佐野友美 ななしまゆきのぶ さのともみ

アトリエハコ建築設計事務所

詩的にシンプルな、それでいてユーモラスな建築をつくりたいと考えています。 要素を削ぎ落とすのではなく、生活の為の設えがさりげない在り方で生活を彩る、シンプルな家。 姿カタチや空間の佇まいに住まい手の個性が垣間見えるような、唯一無二の「生活の容器」を自由で柔軟な発想で追求します。

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