住まいの階段3 直階段の階段下利用タイプ @石井正博+近藤民子
今回の “リレーブログ” では「住まいの階段」について、タイプ別にご紹介しています。
三日目:階段の下に収納(物入れ)やトイレを設けた、直階段の階段下利用タイプです。
階段の形状を分類すると、直階段、折り返し階段、螺旋階段の3つです。複雑な形に見えても、3つの内のどれかの組み合わせでできています。
直階段は折れ曲がることなく一層分の高さを上がるため、シンプルでスッキリした印象にしやすい階段です。一方、もし転倒した場合には、一挙に3m弱の高さを転げ落ちることになるので、常にこのことを頭にいれて階段や手すりの形状を検討し、床面や周囲の素材を選ぶことが必要です。
直階段(ちょくかいだん)下の三角形のスペースに収納・物入れなどを設けて有効利用する場合には、高さの検討が重要になります。トイレを設ける場合には、階段の構造や作り方によってその下の有効に使えるスペースは変わるため、特に注意が必要です。便器の前に立ったときの天井の高さを目安にして、圧迫感、照明の位置、換気ルートなども階段とともに検討しておきます。この形状の階段は木造でも造りやすいため、比較的ローコストにできます。
写真は、木造3階建住宅の玄関ホールからリビングのある2階に上がる直階段です。踏み面と蹴込み面は、フローリングや左手の収納扉の近似色で仕上げ、階段側面の落下防止を兼ねた濃いブラウンの木格子をアクセントにしています。2階からの光はこの格子を透過して通路を照らします。階段下の三角形のスペースにはトイレを設けていますが、入り口の扉は目立たないように、木格子を利用した扉にして、正面のニッチに意識が自然と向かうようにしました。
写真[撮影:リモルデザイン]は、木造2階建て住宅の1階から2階に上がる木製の直階段です。階段下の三角形のスペースの高さの低い方にはキッチン側から使う収納を設置。高い方には階段の反対側の通路から入るトイレを設けています。収納の扉は目立たないように、階段の段々に合わせた形にし、色は壁と揃えています。階段の手すりは、建て主の方と十分打ち合せた結果、一番シンプルな形になりました。
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