住宅模型をつかった建築家との住まいづくり @石井正博+近藤民子
今週の “リレーブログ” を担当します、設計事務所アーキプレイスの石井正博+近藤民子です。
住まいづくりにおいて、建て主の方との情報共有を大切にしながら設計を進めて行きたいと考えています。そこで有効なコミュニケーションツールとなっているのが住宅模型です。3次元の立体的な住宅を作っていく上で、敷地への配置検討から基本設計、実施設計、着工〜完成までの間に数種類の模型つくり、写真を撮って建て主の方にも見ていただき一緒に検討・確認するようにしています。
今回の “リレーブログ” では、設計事務所アーキプレイスでの「住宅模型を使った建築家との住まいづくり」について3つの事例を紹介していきます。
一つ目は『猫と暮らす中庭のある家』の実施設計時に作成した1/50の模型と完成写真。
中庭とLDKの繋がり、キッチンとダイニングとリビングの関係、吹抜の高窓から差し込む光の様子などを確認しました。ソファやダイニングテーブル・チェアは決まっていたので、造作家具の本棚やオーダーキッチンとともに模型でも素材感と色を表現し、インテリアの確認に役立てました。
完成写真:LDKと庭の関係を見る
ガルバリウム鋼板のサイディング(ダークグリーン)と窯業系サイディング(白)仕上げ材の切替え位置を確認するために、模型にも実際の材料に近いテクスチャーや色を表現し、外観の見え方を検討しました。
完成写真:道路側外観
>>猫と暮らす中庭のある家 竣工写真ーその1
>>猫と暮らす中庭のある家 竣工写真ーその2
>>猫と暮らす中庭のある家 竣工写真ーその3
二つ目は『くるりのある家』の1/50の模型写真を使ったインテリアの検討事例です。
工事が進む中で仕上げ材の最終的な色を決めていきますが、小さなサンプルから出来上がりをイメージして決めていくことはとても困難です。そこで、なるべく完成時に近い状態で全体をイメージしながら検討するために模型を利用します。
ダイニングのペンダント照明とキッチン背面の吊り戸棚の素材と色を部屋全体のなかで検討できるように、模型写真を加工したパースを作って検討しました。
LDKにダイニングテーブルが置かれる前の完成写真
三つ目は今月末に着工する『独立した二世帯が集う家』の模型での検討(スタディ)事例です。
計画がはじまると、建て主の方のご要望を叶えるべくいくつかのプランを考えながら、平行して面積、工事費、構造、法規などのチェックを行ないます。同時にボリュームをつかみ、形やプランの可能性を検討するために1/100のスタディ模型を作ります。この時点では大づかみに建物を捉えることが大切なので、形態と主要な窓のみを表現した白い模型です。
白い1/100の模型でも内部を覗き込んでみることで、光の入り方や内部空間をイメージできるので、ここで気づいたことを次の案に活かしていきます。
上は『独立した二世帯が集う家』の1/100の模型を、スタディが進んでいった順に左から並べたものです。これは一つのアイデアに沿って順調に検討が進んだ住宅ですが、実際には二つ以上のアイデアの模型を作って比較検討しながら進めることも多いです。
プランが纏まったところで作った1/100の模型です。建物の構成をはっきりさせるために素材も少し表現しています。また、道路や敷地周辺の建物もつくって、そこに模型を置いてみることで、道路からの見え方や近隣の窓との関係も確認できます。
建て主の方には模型とともに写真を撮ってお見せします。光をあてて人を配置することで、生活をイメージしながら室内に居るにような感覚で計画を捉えていただき、先の検討に繋げていきます。
現在製作中の1/50の模型です。打合せで決まった仕上げ材や造作家具をよりリアルに表現して、インテリアの確認や完成に向けての建て主の方との打合せや現場監理に役立てていきます。
住宅模型をつかった建築家との住まいづくり その3
住宅模型をつかった建築家との住まいづくり その2
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