住まいの階段4 直階段のストリップ階段 @石井正博+近藤民子
今回の “リレーブログ” では「住まいの階段」について、タイプ別にご紹介しています。
四日目:階段の下のスペースを使わずにオープンにした、直階段のストリップ階段です。
蹴込み板をなくし、骨組みをむき出しにした階段のことをストリップ階段と呼ぶようになりました。その定義はいま一つはっきりしていませんが、開放的な住まいが求められるようになり、また、階段を部屋内に設けることも多くなったころから、この「ストリップ階段」の名前が生まれたように思います。
ストリップのような階段は、開放感を優先して、スッキリとさせていけばいくほど、踏み板同士の隙間や手すり間隔など、安全面が課題になってきます。小さなお子さんがいる住宅では、その安全性について建て主の方とよく相談して、デザインとのバランスを図ることが大切です。
階段の上り下りが快適かどうかは、蹴上げ寸法(R)と踏み面寸法(T)の関係によって決まります。2R+T=60~65cm、R+T=43~45cmなどの公式が、快適な階段の指標として使われています。これは階段の角度(勾配)よりも、歩行幅(あるいは、一歩に要するエネルギー)を一定にすることから導き出された指標です。アーキプレイスでは、R=20前後、T=24前後を目安に設計しています。
写真は、鉄骨造3階建住宅の2階LDKから3階に上がる直階段のストリップ階段です。踏み板を2本の桁(鉄)の上に載せて、側面には階段とは切り離したかたちで床から天井までの鉄筋格子を並べ、2階床や階段からの落下防止にしたものです。
写真は、木造2階建(SE構法)住宅の、吹抜けに設けた鉄骨の直階段です。(正確には、2階の上がり際で90度右に折れ曲がっています)
構造的には鉄を使うことで、木製の階段よりも骨組みが細くてすむため、スマートな印象の階段を造ることができます。階段左右の「ささら桁」といわれる部材を稲妻型(階段状のジグザグ形状)とすると、その下を通る時に鋭角に尖った部分が危険ななので、この階段では直線状の「ささら桁」としています。
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