自然や四季を感じるテラスのある暮らしのすすめ @石井正博+近藤民子

今週の “リレーブログ” を担当します、設計事務所アーキプレイス石井正博+近藤民子です。

私たちは男女ペアの視点を活かして、暮らし易さ(光と風、家事動線、収納など)とデザインのバランスのとれた家づくりを目ざし、「敷地とライフスタイルを活かした家づくり」をテーマとして設計活動をしています。

今回の“リレーブログ”では、住まいの中に自然をより身近に感じられる「テラス(デッキテラス)」を設けた住まいの事例をご紹介します。

住まいの中に、自然(光・風・緑・空)と直接ふれあえる場所を設けることで、日々の暮らしがぐっと豊かなになるように思います。日本には四季折々の変化があります。蒸し暑くて不快な時期や凍えるように寒い季節もありますが、自然の光や風は心地よく、緑や空が見えるだけで心が和みます。私たちの中には自然と共生する生活や住まいを求めるDNAが組み込まれているのではないでしょうか。

設計事務所アーキプレイスでは、外部空間を取り入れたり、内と外のつながりを強めたり、四季の変化を感じられる場所を住まい設けることを積極的に提案しています。

1.1階LDKと繋がるテラス(デッキテラス)のある住まい

蕨市13_7663s

蕨市のコートハウス』のテラス(デッキテラス)はL字型プランの建物に囲われた空間です。
床は室内が続くようなウッドデッキで、2本のシンボルツリーをバランスよく植えています。気候の良い季節には6人掛けのテラスチェアセットを置いて食事もでき、木漏れ日を感じながらのゆったりとしたリゾート気分も味わえます。

猫と暮ら13_4287

猫と暮らす中庭のある家』のテラス(デッキテラス)は、コの字型プランのLDK、玄関、水廻りに囲まれた中庭空間です。
広々としたウッドデッキには、四季の変化が楽しめる柔らかな樹形のシマトネリコのシンボルツリーを植え、愛猫も日向で自由に遊ばせられるように、高目の板塀を設けています。

2.2階LDKと繋がるテラス(デッキテラス・バルコニー)を設けた住まい

現代の住宅では1階に庭を設けるスペースがなかったり、スペースがあったとしても1階では日当たりが悪かったり、プライバシーが守りにくかったります。その時2階にLDKを設けその外に大きなテラス(デッキテラス・バルコニー)を設けることも有効な方法です。

室内化12_017

室内化したテラスを持つ家』のテラス(デッキテラス)は、生活の中心となる2階のリビングとダイニングに面した空間です。
このテラスは、穴を開けた屋根や壁に囲まれたより室内化した屋外空間で、周囲の視線を気にすることなく、自然に触れる機会を増やし、四季のの移り変わりを身近に感じながら暮らしていくための装置になっています。

空と暮07_1748

空と暮らす家(スキップフロア)』のテラス(デッキテラス)は、2階LDK面し宙に浮かせたウッドデッキテラスです。
壁で囲われ空へと開いたこの外部空間が、住宅密集地に建つこの住まいと自然を強く結びつけ、日々の暮らしの中に四季折々の変化を届けてくれます。

3.屋上にテラスのある住まい

坪庭さえ造ることができない狭小の敷地であっても、屋上まで上がれば、地上では得難い開放感を味わうことができます。特に都市部では屋上にテラスを設ける住宅が増えていますが、郊外の住宅であっても屋上テラスにはまだ開拓されていない魅力が潜んでいるように感じます。

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東京タワーと桜の見える家』[写真:ODELIC施工事例]のテラスは、都心の敷地いっぱいに建てた3階建て住宅の屋上テラスです。
建物を建てることのよって生まれたもう一つの地面(屋上テラス)には、燦々と光が降り注ぎ、遮るものもないため風がよく流れ、地上では味わえない開放感に浸れます。また、都心ならではの夜景も楽しめます。

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5層なのに3階建ての家』のテラスは3階建スキップフロアの最上層に設けた屋上テラスです。
3方を囲まれた住宅密集地に建つこの住まいで、唯一周囲の視線を気にすることなく自然とふれあえるこの屋上テラスは、子供達の遊び場でもあり、共働きご夫婦が仕事で疲れた体と心を癒してくれる場所にもなっています。

ちなみに、先日、世界遺産に登録されることが決まった国立西洋美術館
世界に散らばる他の17の建築とともに、近代建築の三大巨匠の一人である建築家ル・コルビュジェ(Le Corbusier)が手がけたものですが、実は、「屋上テラス」はル・コルビュジェが提唱した「近代建築の五原則」の中に「屋上庭園」として登場しています。都市化していく近代社会の中で、地表から離れた建物の屋上を庭園として、人と自然がふれあえる空間として利用しようと考えたわけです。

《近代建築の五原則》
1.ピロティ
2.屋上庭園
3.自由な平面
4.水平連続窓
5.自由な立面
ル・コルビュジェは国立西洋美術館にも屋上庭園を設けていて、開館当初は来館者に開放されていたそうです。
上野公園の緑に囲まれ、空が近く感じられる屋上庭園を、世界遺産登録を機にぜひ、復活させてほしいものです。

 

四季を感じるテラスのある暮らしのすすめ

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著者情報

石井 正博 + 近藤 民子石井 正博 + 近藤 民子

石井 正博 + 近藤 民子 いしいまさひろ こんどうたみこ

設計事務所アーキプレイス

「敷地とライフスタイルを活かした家づくり」をテーマに、暮らしやすさ(温熱環境・家事動線・収納計画など)、デザイン、コストのバランスのとれた質の高い家づくりを建て主の方と一緒にめざします。

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