防音遮音界壁にする木造賃貸アパート住戸間壁の設計図

賃貸住戸プライベートを遮音壁に

木造賃貸アパートでは上下や左右隣りに他人別人が住み、建物は一体になっている長屋や共同住宅の 住戸と住戸を区画する壁は「界壁(かいへき)」と呼ばれ、建築の法令上で「1階の壁は 上階2階の床の下面まで、2階の壁は 屋根の下面まで、伸ばして、隣り合う住戸を区画区別」しなければなりません。

隣同士の音や振動を遮断して、各々のプライベートを確保するためです。

遮音壁

今回のアパート建物では「界壁」を、木造で造る遮音の壁仕様にしました。

一般的に壁を立てるとき、まず柱状の下地骨材を約30~45センチの間隔で立てて、そちらに板材を貼り付けて造られます。

遮音壁にするためには、柱状の下地骨材を2列に増やして並べて、下地骨材には片側の壁板のみが貼られるようにします。一般的な壁では、片側に伝わった音(振動)は 下地骨材に伝わり、反対側の壁板に伝わって、隣りの住戸に音になって伝わります。

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遮音壁では、片側壁板に伝わった音(振動)を2列に配置した下地骨材で遮断します。

さらに下地骨材が2列に立っている壁面の内部に、綿状のグラスウール吸音材を充填して音(振動)を吸収して伝搬を遮ります。

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遮音床

2階の床に施工する遮音の床構成は、複数の板材を重ねて敷き、重量感を増して振動させないようにさせています。

構成は、下から

  • 構造用合板 厚み24mm
  • サウンドカット材
  • 強化せっこうボード 厚み12.5 mm
  • サウンドカット材
  • 強化せっこうボード 厚み12.5 mm
  • フローリング 厚み12mm

になりました。

下の階の天井は、

  • 強化石こうボード 厚み12.5 ミリ
  • グラスウール 厚み50 ミリ

としています。

 

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

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