内科クリニック併用住宅建替え工事の地鎮祭@大磯

湘南の大磯で代々内科診療を続けている「脇内科医院」様から、医院建物の一部を建て替えたいご相談をいただきました。

医師先生とご家族との話し合いを経て、様々な課題を整理して解決し、設計図が取りまとめられました。

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計画設計が完了したあと

建替えの計画・設計が完了すると

  • 建築確認の申請
  • 工事金額見積り依頼

が、並行して進みました。

確認申請が無事に下りて、工事金額のお見積書が各工務店様から提出いただいて、工事をお願いする工務店様を絞り込んで、工事請負契約が締結されました。

工事請負契約締結後、既存建物の解体工事が開始されました。

既存建物の解体工事は既存医院を診療しながら進められることもあって、重機を使わずに手壊しで行われました。建て替える建物の敷地は更地となりました。

地鎮祭を行う

工事の着工に先立って、工事の安全と無事の完成を願う「地鎮祭」が行われました。

建て主様から地域の神社 (氏神様) の宮司様にお出ましをお願いし、更地(さらち・土地に何も建っていなくて土面が見えている状態)に、斎竹(いみだけ・笹のついた竹)を四方に建て、注連縄(しめなわ)で囲い、中に祭壇を設けます。祭壇には神籬(ひもろぎ・榊に麻苧(あさお)と紙垂を付けたもの)とお供物を並べます。宮司様と工務店様が用意してくださいます。

建て主様に用意して頂くものは、神主様からお願いがある初穂料(宮司様へのお礼代)やお供えものです。

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地鎮祭の日程を調整

地鎮祭の日程を出席される皆様のご都合を合わせて調整します。

地鎮祭の準備

地鎮祭の日程を出席される皆様のご都合を合わせて調整します。調整した日程を建主様から神社宮司様に申し込みます。

地鎮祭は更地になった敷地で行われます。更地になった地面に当日に祭壇を設けけます。

祭壇備品をどなたが用意するかは事前に相談されて用意されます。

建主様以外の列席者は「奉献」の日本酒を用意します。

祭壇の組み立て

地鎮祭が始まる1時間前ころに宮司様がお見えになり、祭壇の組み立てが始まりました。

はじめに祭壇の位置と向き(南向き)を定めて、一間四方 (1.8×1.8メートル)(2畳四方) の四隅の地面に杭を打って、笹竹を立てます。

次に、笹竹に注連縄 (しめなわ) を渡して結びます。

注連縄 (しめなわ) に紙垂 (しで) を挟み込みます。

祭壇を組み立てて、お供えものを並べます。

列席させていただく者は奉献酒 (日本酒) をお供えします。

砂山を築きます。

榊を用意しておきます。

こちらで準備完了です。あとは、宮司様の進行で進められます。

地鎮祭

地鎮祭は宮司様がお進めになられます。

途中、砂山を設計者が 砂山に刺してある笹を鎌で刈り、次に建主様、施工者様の順で砂山に鍬を入れて砂山を崩します。(鎌や鍬を入れる時に「エイ、エイ、エイ」と掛け声を掛けます。)

列席者はお榊を納めて拝礼します。

最後、御神酒を頂いて (直会なおらい) 終了です。

地鎮祭の意味

地鎮祭は必ずやらなければならないものではありません。慣わし儀式です。行わなかったからと言って、災いが起こる訳ではないと思います。

地の神様に、工事が無事に進んで建物が完成し、平和な暮らしになることを祈ります。

当然のことながら建てられる敷地と建物は建て主様が所有する貴重な財産であることは自明なのですが、

  • 建物を造って下さる方々
  • 周囲住民の皆様方

への感謝の気持ちは、工事と今後の暮らしが無事になる源のひとつになっている気がします。

著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

お客様の貴重な財産である土地や建物を第一に守り、 より美しくデザイン性の高い豊かな建築環境を実現しています。

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